むずむず脚症候群を知っていますか?
最近、ブログや雑誌などで芸能人の方が、むずむず脚症候群で悩み、少しでも多くの方に辛さを知ってもらいたいと、辛い体験などを載せていることがあります。
名前だけ聞いていると、いったいどんな病気なのか?わからないですよね。
もちろん辛さや痛みは、その病気になった方でないと、わからない部分が多いです。
でも身近にいる方が、少しでも病気に関して知っているだけで、そういえばどこかで聞いた症状と似ているなと思ったり、言葉のかけ方など違ってくることもあります。
1、むずむず脚症候群とは?
むずむず脚症候群は、レストレスレッグス症候群とも呼ばれています。レストレス(restless)とは、そわそわ、絶え間なく動くという意味があり、そこからこの名前がついています。
じっと座ったり、横になったりすると、主に脚に強い不快感が現れる症状です。
この不快感は脚の内側から起こり、夕方から夜にかけて症状が出ることが多いと言われています。
2、どんな症状なのか?
では、いったいどんな症状なのか、詳しく見ていきたいと思います。
よく起こるのは、夜寝ようと布団やベッドに入ったときや、じっと座った状態のとき、例えば電車や飛行機などで長時間じっと座っているときなどに、脚の内側からの不快感に襲われ、動かすと多少緩和します。
この不快感とは、痛みやかゆみ、むずむず、ぴりぴりする、また、ひどくなると、虫がはっているよう、針で刺すような、などの異様な感覚が現われる場合があります。
医師が診察する際、上で述べた中のような、4つの特徴的な自覚症状が決め手となります。
- 脚を動かしたくて仕方ない。
- 横になったり、座ったり安静にするとき、症状がでたり、より強くなる。
- 夕方から夜にかけて、症状が強まる。
- 脚を動かした方が、不快感が和らぐ。
夕方から夜間に症状が起こるので、眠れないことが多く睡眠障害の原因となるので、日中倦怠感や疲労感に襲われ、集中力も続かなくなり、日常生活に大きく影響してきてしまいます。
3、原因
この病気の原因は、まだ解明されていませんが、有力な説として、脳内の神経伝達物質の1つであるドパミンの機能障害や、鉄が関与していると言われています。ドパミンとは、神経伝達物質の1つで、運動機能を潤滑にする働きをします。
ちなみに、アルコールを飲んだ時、快く感じますよね。これは、脳内の神経系が活性化する為だと考えられ、この時ドパミンが中心に働いています。アルコールや、覚せい剤など依存を形成する薬物の多くは、ドパミンを活発にする作用があります。
また、鉄はドパミンを作るためには、欠かすことのできない物質です。鉄不足によってドパミンが上手く合成されず、症状を引き起こすとも言われています。
この病気は、他のもともとの原因、病気や薬などが原因となって起こるもの、例えば糖尿病や、パーキンソン病、関節リウマチや妊娠などの二次性としても起こります。
治療を必要とする人は、約200万人いるとされていますが、欧米人に比べると日本人には比較的少ないと言われています。
この病気は、ごくまれに小児にもみられますが、主に40歳以上の中高年の方に多く、男性に比べて女性の患者さんの割合が多いと報告されています。
また不眠症患者の10人に1人の割合で、むずむず脚症候群の患者さんであるとも、言われています。
男女の比率グラフは以下の通りです。
日本の調査で、むずむず脚症候群の患者さんは、人口の2%~4%、これは200万~400万人ぐらいにあたります。このうち治療が必要な方は、70万人ほどと言われています。
4、治療方法
非薬物治療
①鉄分不足の場合には、鉄剤の服用。鉄分の多い食物摂取。
②他の病気が原因となっている場合、その基礎疾患の治療。
③カフェインは症状を悪化させるばかりか、鉄分の吸収をさまたげるため過剰にとらないような工夫。
④喫煙もひかえる。
⑤睡眠の改善。
⑥規則的な生活を心掛ける。
⑦就寝前には、軽く歩いたり程度で激しい運動は避ける。
⑧就寝前の、脚マッサージは効果的とされている。
原因がハッキリとしないので、治療が難しいですが、基本の規則正しい生活、暴飲暴食などに気をつけて、バランスの良い食生活が大切です。
同じ病気でも、同じ薬でも症状や副作用は人によって様々です。
最近では、コロナのワクチン接種の副作用の出方も、人それぞれ違います。
いろいろな情報がありすぎて、打つ前から不安になってしまう場合もあるので気をつけたいですよね。
今回の病気に限らず、なった人しかわからない辛さや痛みは、本人以外どうすることもできませんが、我慢せず人に頼ったり、相談したりするだけで、精神的な部分の手助けにはなるかもしれません。
いつも普通に生活しているようでも、こういった辛さを抱えている人もいます。
人の見かけや、思い込み、瞬間的にすぐ判断せず、適度な距離は保ちつつも、人を知るための洞察力は、社会や家庭でもとても必要なことだとあらためて思いました。
しっかりと人を見極めることによって、その人が何を求めて、何を求めていないのか?理解に近づけるのではないでしょうか。
常に意識していきたいと思っています。